Oct 23, 2020
電子書籍『都市・建築レジリエンスデザイン入門』が出版されました。
公益財団法人東京都都市づくり公社のご支援により、慶應義塾大学理工学部・大学院理工学研究科にサステナブル防災都市・建築学寄附講座が開設され、実践的な教育活動が行われました。
阪神・淡路大震災以降、日本は地震活動の活動期に入ったと考えられており、各地で地震災害が起き続けています。観測史上最大の地震による東日本大震災では、東北地方だけでなく東京都をはじめとする首都圏でも、震動による人的被害、地盤の液状化被害、交通麻痺による多くの帰宅困難者の発生、停電による社会・経済活動への大きな影響を経験しました。今後、首都圏で大地震が発生するリスクは小さくないといわれており、対策を進めていく必要があります。また、地球温暖化の影響により、豪雨、豪雪、台風、竜巻などの激甚な気象災害も多発しています。
一方、東京都都市づくり公社では、長年、東京の防災都市づくりに取り組んできました。また、東京都では都市復興と生活復興を迅速かつ円滑に行うため、平成13年に震災復興グランドデザインを策定しています。これは従来の事前復興の考え方を発展させ、環境と共生した国際都市東京の形成をめざすものです。
本寄附講座の開設は、このような災害に対する高いレジスタンス(災害に抵抗する力)とレジリエンス(災害から復興する力)を持ち合わせ、環境と調和した東京の都市づくりに欠かせない人材育成を目的としています。
これまで築いた都市・社会システムを災害から守り、持続的な発展を目指すためには、他分野の専門家と協働してサステナビリティを考えた都市・建築デザインを行える技術者、都市プランナー、行政実務者などの専門家の育成が必要です。これらの専門家を育てる教育・研究活動を行うことで、慶應義塾大学理工学部、大学院理工学研究科の一層の活性化と、輩出する専門家の活躍を通じた社会の発展に貢献したいと考えています。
平成29年4月1日〜令和2年3月31日(開設期間満了)